IP&Eが非常に重要な理由

電気製品に多くの電子部品が使用されていることは、周知の事実です。電子部品は小型化され、また小型化されることによって、電気製品の機能および性能と一体化しています。電気業界の発展は、電子部品の発展に支えられているといっても過言ではありません。
あらゆる電子部品の中で、IP&Eは最も基本的で最も重要なジャンルの1つです。念のために説明しますと、IP&Eとは相互接続の受動型電気機械部品を意味します。IP&E部品の種類、またそれが日々使用される電気製品で果たす役割を見ていきましょう。
相互接続
相互接続部品は、電気製品および電気システムにおいて、ワイヤー、ケーブル、そして部品を、電子的に相互接続する基本的な部品です。コネクタ、ワイヤー、ケーブル、および回路基板は、すべて相互接続されている部品です。
コネクタは、電気端子を回路に接続するための部品です。また、電気製品において信号の送信または変換をする基本的な部品です。この部品は、ワイヤー、ケーブル、プリント回路基板、および電子部品を接続したり分離したりすることにより、信号を送信し情報を交換します。4つの最も一般的なコネクタの種類は、接触部品(端子またはピン)、コーティング、弾性接触部品 (固定端子またはピン)、およびプラスチックシェルです。
ワイヤーとケーブルは、いわば電気製品の血管であり、コネクタと機器または複数のコネクタ同士を接続し、電気の搬送、情報の送信、および電磁変換において重要な役割を果たします。
回路基板は、固定回路を形成するために、さまざまな個別部品がはんだ付けされている基板です。電気コネクタおよびケーブルと違い、回路基板は不可逆的な電気接続です。
受動型
受動型デバイスとは、電子部品の作動に電源を必要としないデバイスを意味します。このようなデバイスは、電源がなくても電気信号に受動応答することができますが、それを捕捉したり変更したりすることはできません。これらは受動型部品とも呼ばれます。主な3種類の受動型部品は、抵抗、コンデンサ、およびインダクタです。どれも私たちが慣れ親しんでいるものです。
抵抗は、受動型の2端子電気部品です。抵抗物質で作られ、回路において電流の流れを制限できる特殊な構造をしています。抵抗には、固定抵抗、可変抵抗、または特殊抵抗(ほとんどがセンシティブ・レジスタ)があります。電気製品には、これら3つのうち固定抵抗が最も幅広く使用されています。
コンデンサは、一般的に薄い絶縁材で挟まれた2つの金属板で構成されています。回路におけるコンデンサの主な機能は、直流電流の流れを止めて交流電流の流れを可能にすることです。
インダクタは、電気エネルギーを磁気エネルギーに変換して保存する部品です。インダクタは、一般的にプラグインインダクタとチップインダクタに分類されます。通常、コンデンサと組み合わせてLCフィルタおよびLC発振器を構成します。また、インダクタは、チョークコイル、トランス、およびリレーにも組み込まれます。
近年、5Gの進歩により、ネットワーク通信や自動車など下流分野における受動型部品の需要が急拡大しています。つまり、高性能の受動型部品は、需要が大きいということです。
電気機械
電気機械部品は、電気製品の製造および組み立てにおいて幅広く使用されています。モーター、リレー、トランス、フィルタ、および接触器がこれに属します。
リレーは、制御システム(入力ループ)と、制御されるシステム(出力ループ)で構成される電子制御デバイスです。入力値(電圧、電流、温度)が指定値に達すると、制御される出力回路を開閉します。
トランスは、電磁誘導の原理を使用してAC電圧を変更するためのデバイスです。主な部品は、一次コイル、二次コイル、および鉄心(磁気コア)です。通常、トランスは、電気機器および無線回路において昇圧、降圧、インピーダンス整合、および安全確保のための絶縁に使用されます。
接触器は、電磁気システム(鉄心、静止鉄心、および電磁石コイル)、接触システム(通常はオープン接点およびクローズ接点)、およびアーク抑制デバイスで構成されます。接触器の電磁石コイルに電流を流したり止めたりすると電場が発生し、これにより静止鉄心が電磁力を発生させて接極子を引き付け、接触動作を実行します。
高密度電気コネクタおよび医学的モニタリング
携帯型および患者装着型デバイスの人気の高まりにより、医療市場におけるコネクタの需要は拡大し続けています。特に高密度デバイスは、性能および機能において大きな改善を遂げてきました。高密度電気コネクタは、比較的小型の本体に、ピンなどの大量の個別接点を持つコネクタです。高密度コネクタは、標準コネクタと比較して、同じ筐体サイズでより大量の接点を備えています。
高密度設計によって性能を向上させると同時に、重量の増加を抑えることができます。これは、患者の監視や画像処理の機器など、要求の厳しい医療分野におけるデバイスにとって非常に重要です。良い例は、心臓電気生理学機器です。不整脈の患者は、心臓発作および血栓症を防ぐために、正確ですみやかな診断を必要とします。最も一般的な診断プロセスは、医師が心臓血管にカテーテルを挿入するプロセスです。カテーテルには、電極付きの小型のワイヤーが含まれており、心房に達した後に折り畳むことができます。そこで心臓組織と接触し、電気パルス図を描くことで、医師は不整脈の根本原因を特定できるのです。この診断プロセスを向上させるために、医療機器の設計者はカテーテルの電極の数を増やす必要があります。これらには、デバイスの適切なサイズ、重量、および柔軟性を確保するために、高密度コネクタを使用します。
積層セラミックコンデンサおよびカーエレクトロニクス
近年見られるカーエレクトロニクスの持続的な改善は、積層セラミックコンデンサ(MLCC)によるものです。MLCCは、コンデンサの一般的な特性に加え、小型、大容量、長寿命、および高信頼性を誇っています。また、厳しい環境下でも安定した性能を維持することができますが、これこそ車両用の電気・電子回路で必要なものです。
自動車におけるMLCCの用途として、衛星測位システム、中央制御システム、無線航法システム、シャーシ安定制御システム、およびADASシステムが挙げられます。特定の車両で必要なMLCCの数は、電気化の度合いによって決まります。完全な電気自動車には最大18,000個のMLCCが必要であり、自律走行機能のないエンジン自動車でさえ、約3,000個のMLCCを必要とします。
家電製品およびスマートホーム
家電製品は、私たちの日々の生活の便利さと質を向上させますが、その多くでリレーが使用されています。現代の家電製品において省エネ、小型化、およびスマート機能はほとんど標準であるため、リレーは欠かせなくなりました。
ほとんどの家電製品は、ソリッドステートリレーを使用しています。これにより、論理回路の互換性、低い入力電力、高密度、良好な電磁互換性、低ノイズ、および高い動作周波数を実現します。制御システムにおいて、ソリッドステートリレーは、電気制御や水ポンプなどアクチュエータの動作状態を制御し、制御デバイスをアクチュエータから電気的に絶縁できます。通常これらは、洗濯機、エアコン、冷蔵庫、その他の一般的な家電製品で使用されています。
多くのスマートホームのシナリオおよび機能では、耐久性のある安定したリレーが必要です。 この中には、照明制御、スマートソケット、スマートパネル、スマートカーテン制御、および温度制御が含まれます。スマート機能の多様化と普及により、電力要件の範囲は、広がりつつあります。照明、電気カーテン、オーディオシステムなどの機器は非常にわずかな電力しか使用しませんが、エアコンや温水ヒーターなどの機器は多くの電力を使用します。高性能のソリッドステートリレーを使用することにより、低電力制御と高電力シングルチャネル制御を実現し、システムにおけるさまざまなパワーデバイスのスイッチングニーズに対応できます。
電気機器は、生命体と同じように、多くの部品の集まりです。これら基本的な部品の継続的な性能向上と小型化が、私たちの日々の生活における、より小型で、軽量で、便利な電気製品を支えているのです。

